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未成年の18歳以上指定エアーガン
購入・使用についての私的見解

灰色熊氏

 
 
  掲示板の常連さん、クマさんこと灰色熊氏のレポートです。
掲示板で未成年の18歳以上指定エアーガンの購入・使用について話題になりました。
灰色熊氏は更に詳しく意見を書いてくれました。

この事に関して各自が深く考え、皆で意見を交わす事は大変意義深い事だと思います。
灰色熊氏のこのレポートに対して、反論・同意・別な方向性の意見などを、
酢味噌掲示板に書き込んだり、長文ならばこの様なレポートなどで送ってください。
                              (かもんえぎ)
 
 
     
    まず、私がこのようなものを書き記すことについて、先ず未成年者のサバイバルゲーマーや、ガンを愛して止まない人たち、また、その他多くのエアーガン所有者に対する不利益を目的として書いたものではないこと、また、全ての文章について私個人の見解であり、私の無知によって、必ずしも全てが正しい認識のもとに書き記されたものではない事を予め申し上げておく。私の頭脳に浮かんでくることをそのまま書き散らかしただけであるので、反論や批判があっても当然のことであると私は認識している。

  銃器というものは、生物を殺傷する為の道具である。無論、プリンキング等の用途もあることは周知の事実ではあるけれども、人類というものが争いの歴史を繰り返してきた中で銃器をいうものが果たしてきた役割は非常に大きく、また重大であるといわざるを得ない。それらは古くは戦国時代から、近年のボスニア・ヘルツェゴビナまで、多くの人々の生命を奪ってきたものであり、幾多の生命を殺すこと、傷つけることを宿命付けられた道具である。しかし、銃器は本来の役割を果たしているだけであり、人を殺すのは人である。人が銃を用いて人を殺めるのである。
  銃器は力の象徴でもある。
銃器を持つということは、他の人々に自分の意志を強要することさえも可能にもなる強力な武器である。従って善悪に関わらず若者はその力に憧れるがゆえに銃にも憧れる。つまり銃という存在は、持つべき者が持たなければならない物であるということが言えると思う。が、銃は使用方法を誤れば持つべき者でさえも、とんでもない事態を引き起こす。
  そのような物を一般の人間、ごく普通の当たり前の人間が持てるアメリカという国家では、
銃器犯罪が後を絶たない。それは持つべきでは無い者でさえも簡単に銃器を入手できるからであり、銃器を完全に規制する法律が無いからである。
  一方、国家レベルで見ても国家が他国に自らの意志を強要する方法が戦争という外交手段であり、それにおいてもやはり銃器が大量に使用される。いずれにせよ銃器については生命の散りゆく様を強烈に連想させるものがある。それゆえ、戦争・紛争から隔絶された温室育ちの日本という、平和な国家の中では銃器は嫌悪の対象たりうるのではなかろうか。事実、銃器が使用された犯罪は、マスコミ各社こぞってその銃器をクローズアップする。確かに、日本では銃器は特別な資格を持たない者が所持することは法で固く禁じられており、その資格を取得するにも多くの時間を費やし、また所持希望者の調査も厳密に行われる。要するに一般の人間がおいそれとは銃器を手にすることが出来ない環境にある。そのような環境の中で銃器が犯罪に使用されれば市民の目が自然と銃器がどうのこうのという方向に向くのも仕方がないというものだ。が、しかし。人が包丁で刺されても、包丁がどうのこうの、という話にはならない。何が言いたいのかというと先にも述べたとおり、人が人を殺すのだ、という事である。直接的には銃から発射された弾丸が人間の生命を奪うのだが、その銃も発射するのは銃の意思ではなく人間の意志である。銃とて包丁と同じ、道具に過ぎないのである。ただ包丁と銃器が大きく水をあけているのは、腕力を持たない人間が、強力な膂力を持つ者を指一本を引くだけで行動不能の状態に陥れる事が可能であり、場合によっては死に至らしめるほど強力なものであるという点である。
  エアーソフトガン(以下エアガン)という玩具がある。これは玩具であるので実弾など発射できるはずもなく、直径6ミリのプラスチック製の弾丸を空気やガスの圧力を利用して発射させるというものである。生物の命を奪うだけの能力は持っていないが、行動不能に陥らせることは十分可能である。この玩具を悪用した犯罪や嫌がらせは頻繁に発生しており、そのことがファンの頭を悩ませつづけている。これらの犯罪についても同様のことが言えると思う。プリンキング、コレクション、サバイバルゲームなどの用途に使用する分には何ら間違った使用方法ではない。それらの玩具本来の楽しみ方である。しかし犯罪に使用することも可能なことは事実である。心無いユーザーが通行人を無差別に撃ってみたり、ホームレスの人を的にしてみたり、あるいは強盗をしてみたりと様々な犯罪行為を行なったのは記憶に新しい。
  日本では銃器が禁止されている以上、たとえ玩具であれ、銃を所持する事は一般の人から見れば特殊な趣味であるように見える。判りやすく言えばテニスだの、ゴルフだの、はたまた競馬だのパソコンだのと言った道楽であれば一般の人とも会話は成立する。つまり市民権を得た趣味と言えるわけである。ところが銃の話が一般の人たちに簡単に受け入れられるかといえばそれは難しい。なぜなら、犯罪・戦争といった陰惨なイメージが終始付きまとうからであり、市民権を獲得するにはあまりに嫌悪されがちな趣味であるからだ。一般の人の目にそのように映る以上、多極的に説明しても一極的な理解しかしてもらえない筈である。プリンキングとか、精密射撃とか、サバイバルゲームとか、そういう話をしたところで、結局悪いイメージの払拭まで話を持っていくのは困難を極める。というより、現時点では不可能に等しいと思われる。それはエアガンという玩具の「有害玩具」の指定にも伺い知れる。犯罪ばかりがクローズアップされて、プラスの情報が広く世間に知らしめられていないというのも理由なのかもしれない。
  有害玩具に指定されているという事は、つまり青少年が健全に育成される過程において害を為す可能性が存在すると認められる、と地方行政が認めたということである。
  子供は18歳まで法による処罰、社会的制裁を受けない。これは少年法に規定されていることだが、あくまで「保護」であり、更正を目的とした「指導」である。それは、18に満たない少年少女は善悪の判断が完成されていないという判断であり、また、善悪の判断基準や、公共性、道徳心とかといったものを国が親となって教え、子供をしつけるという考え方である。少年犯罪が発生するたびにこの法律のあり方が論議されるのだが、ここでは余り関連性が無いので省略させてもらう。つまり、それら有害玩具を18歳未満の少年が使用することは、善悪の判断基準が甘いために誤った使用方法を用いる可能性があり、それによって少年のみならず、周囲の人たちにも危害が及ぶ可能性が否定できないということである。全ての少年が善悪の判断が甘いとは言わないが、あながち的外れな考えではない。昔から、「罪を憎んで人を憎まず」の例えがある。これは実にいい例えで、現代風に言えば「死刑囚には人権を認め、犯罪者には人権を認めない」ということである。つまり、自分の犯した罪を認めて刑に服し、反省をする人間に対しては人権を認めるが、罪を犯して逃走する輩に人権を認める必要はない、という事であろうか。
  罪を犯しても社会的制裁を受けない少年達に、用途を誤れば人に重大な被害をもたらしかねない玩具を与え、野放しにすることはやはり危険なことであろうと思う。悪ふざけでも重大な結果をもたらしかねないからである。
  また、責任能力の問題も出てくる。もし仮に、少年がエアガンを用いて通行人を撃ち、怪我をさせてしまったとする。そういう時に責任を負う能力が少年達に備わっていないのも事実である。損害賠償にしても継続して一定の金銭を支払うだけの経済力が少年には備わっておらず、結局親が肩代わりすることになるだろう。また、少年は社会的な制裁を受けることが無いので、親に怒鳴られて終わりである。怒鳴られて更正すれば良いが、そうでなければ同じ事を繰り返す結果になるかもしれない。その可能性は全くゼロではない。
  その逆もあり得る。少年同士が銃で撃ち合いをしていて、怪我をした。誰が責任を取るのか、といえば、怪我をさせた子供の親である。責任を取る能力が未成年には無く、親が責任を取るとは言っても結局引き金を引くのは子供である。
  それ以外にも問題は山積している。
  例えば、未成年がサバイバルゲームに参加したとする。
  未成年がそこで怪我をしてしまったら、どうなるか。誰が責任を負うのか?
  何にせよ、問題が発生する可能性がゼロでなければそれに対処する方法を明確にした上で行動するということが「危機管理」ということであり、その危機管理において万全の対応をすることが出来ない現状では、未成年のゲーム参加にはGOサインを出すわけには行かないと思うがどうであろうか。仮に未成年の参加を条件付で認めるチームがあったとしても、そのチームが内輪でやる分にはいいのだろうが、ゲームは他チームとの交流戦なども頻繁にあるわけで、そういう交流戦ではイコールコンディションが鉄則である以上、自分のチームで認めた条件を相手のチームにも要求するのは問題があるだろう。だからといってその未成年の参加を断れば、チーム内の雰囲気が悪くなる。
  「スポーツ」を標榜するのであれば、年齢別に分かれるべきなのかもしれない。柔道に重量別の階級があるように、ゲームにおいてもそのような差別化が必要なのであり、大人と同じ土俵で子供が争っても勝てるわけが無い。また、相手が子供である以上、怪我をさせまいと大人は本気を出し切れない部分も出てくるであろうし、子供も何とか勝とうと危険なことをやりかねない。
  従って、未成年者が18歳以上指定のエアガンを手に入れることは基本的に望ましくないと私は思う。無論、これらの問題が全て完全な形でクリアされるというならば、参加を大いに歓迎すべきであると思う。
  重ね重ね言うが、これは悪意の元にかかれているものでは決して無い。また、私個人の見解であって多くのゲーマーがこのように思っていると断言しているわけではない。無論、ガンを愛して止まない人達に対する不利益を目的として書いたものでもない。部分的には人と共通の意見があるかもしれないが、私個人ではこのように考えている、という風に捉えていただきたい。ガンとそれを愛して止まない人たちを取り巻く環境は非常に厳しいものがある。数年前よりは幾分かマシになった感はあるが、それは世間の無関心から来るものであり、決して改善されたと言い切れるものではない。サバゲが市民権を獲得するその日まで、共に戦い抜こうではないか。
 
                                                      乱文平にご容赦。  
     

 

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