ゲストガンスミス
その他

 
  ちゅんぴー氏いわく、「チェッカリングの彫刻よりもグリップの内側を
ガンのフレームに合う様に削る方がずっと難しい」
ええー!そんなはずは無いでしょう!?って私の疑問に答えて送られてきたこの画像。
ラッコ姿木グリ彫刻家?のちゅんぴー氏の華麗なるその技法が今明らかに!(^O^)/
(かもんえぎ)
 

 

  手彫り木製グリップ(2)  
  製作者:ちゅんぴー氏  

 

  キンコブことKSC製キングコブラのグリップを彫ります。
実銃用のラバーグリップはカッコいいのですが、ちゅんぴーには
ちょっと薄すぎます。
木の質感も捨て難いので木製グリップを彫ってしまいます。
 
KSCキングコブラ用
オーバーサイズグリップ
・データ


材料:真樺
 
jpg画像3.9kbt
(これはラバーグリップ装着の状態)

 

●コピー

今回はグリップを外した写真があったので
参考に…
これって違う銃の写真だあ!


●型紙

適当な紙でいいかげんな型紙を作ります。


●切り出し

ピーメとダブるんで、
外形を切ったところから登場です。
厚い材料を自分で左右に切り分けるのが
味噌です。
完成すると木目が左右つながってるわけです。
(ニヤリ)
 
jpg画像6.7kbt


jpg画像9.9kbt


jpg画像7.7kbt
●精度

今回は左右がズレると面倒なので、
この段階での精度が大事です。
もちろんすべて目分量/あてがって見る、
です。(笑)


●フレーム

フレームをのせて、確認します。
ご覧の通りのフレームなので、
どうデザインしても
いわゆるオーバーサイズグリップになります。

(ここからフレームの厚さの分だけ彫って
沈める作業になります。)
 
jpg画像6.2kbt


jpg画像5.7kbt

 

●一段目/荒

目分量でフレームの形を書いて、
まずは深さ4.5ミリ彫ります。
ご覧のとおり丸刀で彫ります。
急ぐとロクな事になりませんので、
あんまり集中しないでのんびり進めましょう。


●一段目/荒左右

あと0.5ミリくらいの深さまで彫れたら、
ついつい平面を作ってしまいがちですが、
どうせ左右をあわせた段階で
修正に次ぐ修正です。
丸刀の跡だらけでいっこうにかまいません。


●一段目/左右

いちおう終了にします。
どうせこの状態ではフレームに
合わせて見るわけにもいきませんから
ほどほどにしておきます。
 
pg画像11.7kbt


jpg画像11.3kbt
  こうやって丸刀でじわじわ彫っていく訳ですね。
刃の跡からどう彫ってるかわかって興味深い画像です。
(かもんえぎ)
 

 

●二段目/たて
●二段目/よこ

上の方は、もう4.25ミリほど彫らないといけません。
なあに今度は面積が知れてますから簡単です。

jpg画像7.6kbt
 
jpg画像7.0kbt
●深さ調整/右

二段目が彫れたらフレームに仮組みできますから
早速のっけてみましょう。
フレームに3Bくらいの濃い鉛筆を塗って、
あてがいます。
木に黒く鉛筆の色がついたところを削れば
誤差0で完成です。










●深さ調整/右後ろ
●深さ調整/前
●深さ調整/後ろ

ここで左右がピッタリ合う、ってのは
けっこう危険です。

写真のグリップだと前から見たところの
継ぎ目が合ってますね。
この場合グリップの中でフレームが
ガタガタする状態、
つまり彫りすぎでした。やれやれ。

高すぎるところを丸刀で薄くすくって
ヤスリで面を出して修正します。
常に裏返しで作業しますから、
ちょっとパズルっぽくて楽しいです。
 
jpg画像6.1kbt


jpg画像4.3kbt


jpg画像6.4kbt


jpg画像5.5kbt

 

●内側/左右/たて/右側


おそらく全工程の中で一番時間がかかりそうなのが
内側の加工です。
だって銃に重ねると、どこが当たってて
どこにスキマがあるか見えないんだもん。(当り前)


よおーし、と見当をつけてもフレームから外せば裏返し。
頭の中も裏返さないとスキマは大きくなるばかり。


フレームに鉛筆塗るのはいいのですが、
しばらく作業を進めていると
手も材料もだんだん黒くなります。
実に不愉快。


それはさておき、あんまり鉛筆に頼ると
全体に歪んだ面になっても気がつきません。


上を押さえると下が浮く、でも部分部分は合ってる、
という面倒な事態になります。
その辺の紙切れで平面を確認しながら進めましょう。

jpg画像6.6kbt


jpg画像3.8kbt


jpg画像7.9kbt
●サイド

この段階では、このくらいスキマがあっても
平気です。
というつもりで撮ったんですが
写真がマズくて意味不明です。(困)
すみません。
  この画像、綺麗に撮れていて
気に入りました(^−^)。
(かもんえぎ)
 
 
jpg画像6.7kbt
●ネジ深さ

忘れるところでした。フレームに取り付けられるようになったら、
断面が四角いうちにネジ穴をあけてしまいます。

材料が四角いうちならば、必要な深さも画像みたいにコロッと
置くだけでわかるし、垂直に穴をあけるのも比較的カンタンです。

万力にもはさめるし、寸法も計れるしね。

これが丸くなってからだと、何の手がかりもありません。
困りますよお。(もちろん経験してます)

キンコブの場合、鉄だとばかり思っていたナットが、
きれいに着色された真鍮と発覚。力ずくで穴の底に引き込むつもり
だったのでビビる。(笑)
 
jpg画像4.0kbt
●難所/左前/左右/右内側

ちゅんぴーは、大抵このへんを彫りすぎて
スキマを作ってしまいます。
別に全然難しくないよ、
というヒトもおいででしょうが、
ちゅんぴーの能力では「裏返しの上に曲線」
というのは無理です。
すぐこんがらかってしまいます。

画像でチョンチョンと鉛筆の粉がついてるのが
見えますでしょうか。
そうです。こんなモノ全然アテになりません。

フレームの角の部分をさぐるのには有効かな?
という程度に考えておきましょう。

あ、主任が来た。
すみません、仕事してるフリします。
ではまた。
 
jpg画像9.1kbt


jpg画像7.3kbt


jpg画像5.4kbt
  なるほど〜、
これは確かに時間のかかる難しい工作ですね。

次はいよいよチェッカリングでしょうか?
期待してます(^o^)。
(かもんえぎ)
 

 

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