ゲストガンスミス
その他

 
  木製グリップの製作も3回目にして、ついにクライマックス!
チェッカリングをどうやったら手彫りで出来るのか!?
その謎が今解けます。必見!
(かもんえぎ)
 

 

  手彫り木製グリップ(3)  
  製作者:ちゅんぴー氏  

 

KSCキングコブラ用
オーバーサイズグリップ
・データ


材料:真樺
 
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ではさっそくチェッカーの…と思ったんですが、
メダリオンの作業を先にしたので
ちょっとガマンしてください。



グリップの裏側をフレームに合わせて削るのに
リューターを使えば楽ちんなような気がしますし、
かなりの腕前のトイガンスミスさんも
掲示板でそんなコトを書き込んでおいでなんですが、
ちゅんぴーの用意したのはやっぱり学童用彫刻刀と
ケント紙のジグ2枚です。

●ジグ

彫り込む深さに合わせて2枚用意しました。
あてがって見ても 0.25ミリなんて寸法が
出るわけがありません。
(笑)気休めです。
でも、取り返しがつかないほどの寸法違いは
防げるような気はします。

 
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●成形

フレームに取り付けて、
本能のおもむくままに削ります。
寸法を気にする必要も、
写真と見比べる必要もないので
無条件に楽しい作業です。

材料取りのところで最初に書いておくべき
だったのかもしれませんが、
この作業で、唯一注意して欲しい点は

「サンドペーパーを絶対使用しない。」ことです。

サンドペーパーの研磨剤(シリコンカーバイトなど)が
木目に入り込んだら、
チェッカーどころか外形の成形にも困るくらい
刃物が傷みます。
気をつけようね。

ところで、底の平面もヤスリで出してるように
お思いかも知れませんが、
ご覧のとおり丸刀で出しています。
最後にヤスリでザッとあたれば平面になる、
というところまで丸刀でやっておくと楽です。

フレームに当たる部分の平面も同じです。
参考にしてね。

 
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●準完成

さて「準完成」などどわけのわからない言葉ですみません。
要するにチェッカーの入る前の段階です。

どうせサンドペーパーが使えませんから、
あんまり意地になってきれいな表面にする
必要はありません。

 
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●メダリオン

一見面倒そうですが大したコトはありません。(ホントです。)

・まず位置を決めて

・まわりを鉛筆でクルリ

・適当に丸刀で彫り始めます。

・深くなってきたらメダリオンを裏から押し出せるように
 グリップに穴を開けておきます。
 コレを忘れるとメダリオンを外せなくなってエライ目にあいます。

鉛筆でクルリと描いた円がメダリオンより
やや大きくなっているのがミソです。
この線を基準に彫るのですが、
円筒状に彫ってるつもりでも、
深くなるほどバケツ状に底も径が小さくなりますから
不思議にピタリととまります。

ちゅんぴーの場合接着剤はつけずに
ギュッと押し込んでるだけで止まってます。
(他人様にお渡しする分はボンドを使用しますけどね。)

 
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  ●チェッカー直前

長らくお待たせいたしました。
ようやくチエッカーにとりかかる準備ができました。

 

●工具

洋書を見るとなんのためらいもなく「マシンでバリバリ。」と
簡単に書いております。いやだなあ。

簡単なツールもあるようですね。以前東急ハンズで売ってるよ、
と聞いたコトがありますが、そもそもウチから半径100キロ以内に
東急ハンズがありません。(笑)

そこで学童用の三角刀です。 あ、そこの人。読むのやめないでえ!

本にピッチとか角度についてイロイロ書いてあるのはいいんですが、
なんだか本によってかいてあるコトが違うようなので
あんまりアテにしないようにします。
 
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●エッジ

今回のグリップにはありませんが、
チェッカーの周囲にぐるりとエッジがついてる
場合があります。
その場合はエッジを先に彫っておきます。


M29のエッジは深い方がカッコいいので、
三角刀のミゾをさらに先の折れた細丸ヤスリで
さらって見ました。

フチがキタナイですか。
そうですか。
 
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●ケガキ

鉛筆でコリコリ引きます。
丸みがあって定規が当たりませんから、
ジグにしたケント紙をあてて引きます。

洋書には定規代わりにテープを貼って、
などど書いてありますが、
定規には薄すぎて脱線したり、
材料にノリが残ったりでロクな事にはなりません。

コツといったほどでもありませんが、
先に1方向だけ全部線を引いてしまいます。

ガバメントみたいな単純なカタチでも
中央と両端では間隔が変わってきます。
キンコブみたいな曲面には
無理に平行線を引こうなんて思わずに
「見る角度を変えても割合平行線に見える。」
を心がけてテキトーに引きます。

一方向から見てバッチリ平行でも、
見る角度を変えたら曲がっているはずですから。
 
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●まず1方向

とりあえず1方向彫ってしまいます。
ごらんの通り結構左右にヨレたり、
平面が残ったりしていますが、
全然気にしません。

だってヨレたり浅かったりしても
その部分はどうせ削り取られて
なくなってしまいます。
ピラミッド状に残るだけですから
少々の失敗なら平気です。
三角刀がそれたキズなんて絶対バレません。
 
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●交差して彫る

1方向から全部彫ったら交差して彫ります。

さて、交差している方向に鉛筆で引く線は
1本きりです。
変だと思う方が多いと思いますが
1本きりです。

2本目からは目分量の方が正確に
彫れます。
 
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交差するチエッカーを
目分量で彫る理由は、
手抜き図のとおり、
チエッカーが「ひし形」になれば
オッケー、という実に解りやすい
目安があるからなんです。

一気に最終的な深さまで
彫る訳ではありませんから、
彫り始めた時点で「ひし形」が
くずれていたら深く彫る時に
左右に修正します。

例え正確に線を引いたとしても
「ひし形」がくずれたのは
誰が見ても仕上がりがカッコ悪い
ですから、
線を無視して「ひし形」を見ながら
彫ることになります。

曲面の上に彫るのですから、
「ひし形」の大きさは場所によって
変化します。
でも、作図の段階でそんなコト
調整できませんし
調整して作図したって、
曲がり方が大きければ
その通りには彫れません。
(「深さ」があるからね)

また、トゲの向きによっても
受ける印象がまるで変わるから
やっぱり見ながら彫るのが良いと
思います。
 
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●できました

はい、できました。

次回(最終回?)で表面にサンドペーパーをかけて
オイルを塗ります。

オイルが全然乾かないので仕上げが
次回送りになってしまいました。(汗)
ウレタンにしとけばもうとっくに
できているんですけど。
 
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  いかがでしたでしょうか?
これで皆さんもチェッカリングを自分で彫れる様になりましたね?
って、ならないですね(^−^;)。
まあ、出来る事、やり方までわかったので、
あとは、各自粘り強く自分なりに練習していくしかないでしょう。
最初から上手くは出来ませんからね。
(かもんえぎ)
 

 

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